サーキュラーエコノミーの製品・事業化を考え続ける中で — 本当に売れますか —

本記事は、「もったいない」という日常の気付きからサーキュラーエコノミーを考えるシリーズの一編です。

シリーズ全体の考え方は、第1話(こちら)にまとめております。

https://www.jin-smeresearch.jp/mottainai1/

 前回は、「規格外の製品を、誰か買ってくれませんか」という相談から、出口(売り先)を探る話をしました。

しかし、出口を一緒に考える前に立ち止まります。

 

「本当に売れますか?」

 

ここを曖昧にしたまま出口の話をしても、後で苦しくなることがあります。

まずは、このように話しかけます。

 

「この規格外品は、どんな状態ですか。」

 

少し考えてから、こう返ってきます。

「製品とまったく同じですよ。ただ、形が違うだけですよ。」あるいは、「たまに異物が入ることがありますよ。」

 

品質の話に入る前に、もう少し対話を続けます。

 

「規格外品は腐敗しやすくありませんか。」

「保管場所で困っていませんか。」

 「思っている以上の量が発生していませんか。」

「今、どれくらい費用がかかっていますか。」

 

対話を深めるうちに、

 

「置き場がもういっぱいなんですよ。」

「早く出さないと傷んでしまいますよ。」

「処分費が結構かかっていますよ。」など

 

こういった事情を抱えている場合もあります。

 

売却の話をしているつもりが、実際には保管や処分の問題であることもあります。

また、時間の制約や発生量の不安定さが、背景にある場合もあります。

 

そして品質の話に戻ります。

 

「たまに異物が入ることがあります。」

「なんとか混ざらないようにできませんか。」

 

そう尋ねると、このような返事が返ってくることがあります。

 

「それをやろうとすると、相当な投資が必要で…。」

 

 この段階で、製品として流通させられる状態かどうかが整理されていきます。

 

もし製品と同じ品質を担保できるなら、市場へ流していく道があります。いわば「動脈」です。

しかし構造的な違いがあるなら、無理に製品として売るのではなく、再生の道を探ります。こちらは「静脈」です。

 

現在が焼却処分であれば、

飼料化、肥料化、キノコ菌床利用、メタン発酵、そして焼却

という順に可能性を探ることもあります。

 

処分費用を下げることも、経営の選択肢のひとつです。

サーキュラーエコノミーは、すべてを動脈に戻す思想ではないと思っております。

どこまで整えるのか。どこで線を引くのか。それを決めるのは、経営者です。

 

では、規格外品を「製品として売る」と決めた場合、何をどこまで整える必要があるのか。

それは、次回にその対話について考えてみたいと思います。

  [前編]サーキュラーエコノミー(循環経済)の製品・事業化を考え続ける中で — 試行錯誤から見えてきたこと — [ブログを読む